インド駐在員の華やかな暮らし

当時の写真 部屋からクラブハウスが見えます
当時の写真 部屋からクラブハウスが見えます

 

私は2017年から3年8ヶ月のインド駐在を経験させて頂きました。駐在をきっかけに、現在の妻との結婚を決意しインドでの新婚生活が始まりました。

住んでいたのはデリーから車で1時間ほど南に行った、グルガオンというサテライト都市です。ここで第一子も授かりました。インドの中でもインフラが整っている場所ではありましたが、停電は日常茶飯事、水は飲めないだけではなく調理にも使えませんし、空気は世界最悪で、特に冬の時期は北部から流れてくるPMにより目の前の建物が全く見えなくなるほどです。食事も豚肉牛肉、魚介類、発酵食品や生卵など、馴染みのあるものが簡単に手に入りませんし、鮮度に期待もできません。

このように大変と言えば大変なインド生活なのですが、この記事では、日本人駐在のそれほど悪くはない、寧ろ贅沢とも言える普段の生活をよりリアルに解説できればと思います。

 

収入と支出

インドなど発展途上国の駐在員には、生活水準・様式や社会環境、気候風土の違い等から生じる肉体的・精神的負担等を勘案してハードシップ手当というものが支給されます。

インドはこの手当が世界一高いのですが、更に物価調整給や出向手当なども支給されます。私の場合、給与は手取りベースで2倍以上となり、日本での勤務と圧倒的な違いがありますので多少辛くても我慢ができます。

また、日本では終電まで残業するのが普通でしたが、インドでは殆ど残業はありません。早く日本に帰りたい、という人の気が分かりません。

 

支出面について、物価は基本的に安いのでそれほどお金はかかりません。野菜や乳製品、お菓子やアイスなど、インド国産品を見渡したところ、金額は日本の10分の1程度ではないかと思います。路上では綺麗な薔薇を1本20円程度で売っている人がいます。革製品やパシュミナもいいものが安く買えると人気です。

一方、MAKE IN INDIAという政策の通り、輸入品は関税が高く日本で買うより割高ですし、消費税(GST)は基本28%であるのに加え、酒やタバコなどの嗜好品は更に税率が高く設定されています。酒タバコが好きで、日本食料理店によく行く単身の駐在員があまりお金を貯められないのはこの為です。

最後に、休みの日にゴルフに行く駐在員は多いですが、数千円でラウンドできるのでこれはオススメです。私の場合、給与の2割以下で妻と生活することができました商社勤務で散財せず、5年ほどインド駐在すればそのままFIREできます

 

福利厚生

給与以外にも様々なベネフィットが用意されています。

まずは、一時帰国休暇。年に一度、日本に社費(往復の航空券代)で日本に帰ることができます。加えて、静養休暇というのがあり、インド駐在員場合は年に3回、社費で海外旅行に行くことができます。

私は新婚ということで、駐在初年は7カ国ほど旅行に行きました。具体的にはインドから比較的近いシンガポール、タイ、ドバイ、モルディブに加え、フィンランド、トルコ、ギリシャに行きました。因みに、インドの航空会社は昨今競争が激しく世界最安値です。確か、ドバイやモルディブの往復は一人5万円程度でした。

アフリカサファリやヨーロッパ周遊なども計画していましたが、妻の出産もあり2年目以降は断念しました。

そんなに休めるのか、と言う声が聞こえてきそうですが、本社と違って職場環境はよく、自分の好きな時に1週間でも2週間でもお休みを頂くことができました。勿論、仕事で結果を出して、他人に迷惑をかけないのが大前提です。

 

家賃についてはハードシップが高いこともあり、限度額は高額に設定されています。恐らく、ニューヨークの駐在員とさほど変わりません。私の場合は妻と4000スクエアフィート(400平米弱)のコンドミニアムを賃貸していました。家賃は50万円弱でしたが全額社費負担です。

広すぎるリビング、キッチン、マスターベッドルームとその他3部屋、各部屋にシャワーとトイレがあります。クラブハウスには高級レストラン、バー、カフェ、ジム、プール、テニスコート、スパ、美容室、映画館、図書室、パーティールームなどがあります。レストランからのフードデリバリーはよく使っていました。

 

当時の写真 リビングルーム
当時の写真 リビングルーム

 

因みに、この待遇については商社特有で、普通はこの半分以下の限度額になります。メーカーに出向していた私は逆に肩身の狭い思いをすることもありました。今は脱サラして狭いアパートに住んでいるのでご勘弁ください。

 

その他(ドライバー、メイド)

インドは基本的に歩道が整備されておらず、歩いたところで砂埃や空気の悪さで健康を害するリスクもあるので、社費で帯同家族に家族車を1台つけて頂けます。家族車はドライバー付きで月10万年程度です。

インドではウーバーやオラといったライドシェアが普及していますが、まだまだトラブルが耐えない為、大企業ではなかなか認められていません。

近くのスーパーに行くにも必ず車を使います。車を使わない日もドライバーはコンドミニアム内で待機し、いつでも出発できるようにしておきます。

ドライバーには色んなタイプがいますが、パーフェクトはいませんので譲れないところを優先して決めます。道に詳しい、英語が話せる、時間を守る、安全運転、異臭がしないなど色々ありますが長く付き合えそうな人柄であることも大切です。因みに、ドライバーの月給は15千円くらいが相場のようです。

 

妻が出産してから、メイドを雇うことにしました。こちらは流石に自費ですが、月に1万円も払えば毎日働いてもらえます。

基本的にルームサービスで毎日部屋の掃除をしてくれるスタッフがいるので、メイドにはそれ以外の料理や洗濯などをやってもらいました。妻はかなり助かっていたようです。

メイドによっては当たり外れが大きいのですが、日本人のコミュニティを活用していいメイドを紹介してもらうスタイルが一般的です。この辺りを注意せずに決めてしまうと、お金や貴重品が無くなったりします。

 

さいごに

日本では考えられない暮らしに驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。但し、あくまで大企業に勤める日本人駐在員の視点で、現地採用の日本人であれば全く暮らしぶりは異なります。

改めて、同じ商社であっても日本での待遇とは雲泥の差があります。待遇だけではないですが、商社に入ったからには海外駐在を経験しないと意味がないとも言えます。

因みに、浜松勤務だった頃は通勤に車が必要であるにも関わらず、1円も手当を頂けませんでした。組合に駆け寄るも、何もしてもらえませんでした。

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