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酪農の倫理課題に迫る、ヴィーガンという考え方

「ヴィーガン」と聞くとどんなイメージがあるでしょうか。ベジタリアンとどう違うの?特定の宗教に属する人たち?

私も少し前までそういったイメージしかありませんでした。ヴィーガンとは、卵や乳製品を含む動物性食品をいっさい口にしない「完全菜食主義者」のことです。

 

ベジタリアンよりストイックだね

 

今ではヴィーガン料理はアカデミー賞のレセプションでも採用されるほど、世界の注目が集まり最先端のカルチャーになりつつあります。代替え肉のスタートアップ・ビヨンドミートにレオナルド・ディカプリオが投資していることも有名になりました。

ヴィーガンには環境問題や貧困問題と直結する社会的意義があると知り、肉食について考えるきっかけになればと思い、この記事を執筆するに至りました。

 

温暖化や飢餓の原因となる畜産業

畜産による温室効果ガスの排出量は全産業の内約18%ということです。自動車産業ですら約13%であることを考えると、いかに大きな影響があるかがわかります。

牛などの家畜が食事をするときに排出されるメタンガスやふんが主な排出源となっています。

加えて1960年代以降、中南米の森林伐採は進みアマゾンの熱帯雨林は約70%も減少しました。全ては畜産動物をアメリカなど先進諸国へ輸出する為です。

 

貧困問題に関して言えば、家畜に与える穀物がなくなった場合、日本人が食べている穀物の2倍の量を世界に均等配分できるそうです。結果的に飢餓で苦しんでいる世界の約8億人を救うことができます。

然し、大量の穀物は家畜が食べるため飢餓はなくなりません。肉を食べたい、そのためにできるだけ生産して利益を得たいという先進諸国のエゴが優先されているためです。

 

畜産動物の一生がエグすぎる

関係者でもない限り私たちが見るのはスーパーに美味しそうに並んでいるお肉だと思います。

然し、家畜が飼育されているファクトリーファームの映像を見て衝撃を受けました。食品でも何であっても製造プロセスの透明性まで意識してものを買う必要があると感じた瞬間です。

安くて美味ければいい、という従来の価値観に疑問を投げかけます。

生まれてから身動きの取れないところで家畜として育てられ、殺されるまでの人生がリアルに描かれています。苦しみながら殺される実態が散々描かれ、ナチスドイツを彷彿とさせます。

なぜ人間は殺したらダメで、家畜なら苦しめて殺しても良いのか。自分が家畜だったら、私利私欲の為に地球と調和を取ろうとしない人間がまずいなくなってほしいと思います。

 

2019年に社会現象化し映画化したアニメ「約束のネバーランド」。鬼が人間を家畜として育てる社会が描かれており、現代社会を見事に皮肉っています。↓

 

人間は肉を食べなくても生きられる

肉に含まれる栄養素は全て他の食料で代替できるようです。我々の平たい歯も草食動物の特徴です。実際、肉を食べなくても強靭で健康な身体は作られるし、ヴィーガンになってからパフォーマンスが向上するアスリートもいます。

因みに日本で肉食が本格的に始まったのは明治維新後の文明開化からで、以後肉食が当たり前になりました。我々が給食でパンと牛乳が当たり前だと思っているように、肉食も外国から伝わりました。

肉食のお陰で欧米人に負けない強靭な身体が作られるようになったと勘違いしている人も多いのですが、昔の日本には食料が不足していただけというのが実態のようです。

加えて、畜肉に発がん性があるとするWHOの研究や、ヴィーガンやベジタリアンの方が長生きするという研究もあったりと、肉食を続けるデメリットまで指摘されています。

 

さいごに

2019年に国連機構アクション・サミットでスウェーデンのグレタ・トゥンベリさんが強い怒りを表現していたのは、大人たちがこういった畜産のダークサイドを隠してきたことが要因です。↓

 

個人的には、これほど残虐な仕組みに加担することに論理的な抵抗を感じています。然し我々が肉食で育ってきたことも事実で、すぐにヴィーガンなることも難しい。重要なのはこういった事実を正しく理解し、一人ひとりが半歩前に出ることではないでしょうか。

例えば、牛乳ではなく豆乳を飲む、動物由来のレザー品やコートを買わないなど、節約・リサイクルと同じような感覚で一人ひとりができることをがあるはずです。

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