私は21年7月に香港へ渡航し、政府指定ホテルで21日間の隔離生活を経験しました。
一番辛かったはドアから一歩も外に出られなかったことです。窓も開かないので外の空気さえ吸えませんでした。外に出てしまったらすぐに警察に通報され、罰金も払わなくてはいけません。
日本でも14日間の隔離生活を経験しましたが、現在地や健康状態を管理するアプリはダウンロードしたものの、ホテル側は強制的に外出を制限していませんでした。日本は法律上、行動を規制できないのでロックダウンのような措置も取れません。
この記事では、セロトニン、アドレナリン、ドーパミンという3つの幸せホルモンの観点から、隔離期間の感想と困難を乗り越える方法について考えてみたいと思います。
セロトニン
日光を浴びる、リズミカルな運動、意識的な呼吸などにより、脳内で分泌されます。また、体内のセロトニンの90%が消化管にあるので、腸内環境を整えることも大切とされています。不足すると精神の安定感が下がり、頭の回転が悪くなります。
隔離中は部屋から一歩もでられませんし、窓も開きませんでしたので、散歩やランニングができないだけでなく、気持ちの良い風や日光を全身で浴びることもできませんでした。然し、ずっと悩んでいるだけでは精神的に不安定な状態になってしまうでしょう。
先に述べた通り、セロトニンの分泌には日光を浴びることが全てではありません。是非、部屋の狭いスペースであっても、適度な運動を心がけてみてください。
私は毎日30分のヨガを朝晩やることにしていましたので、体が温まる、呼吸が整う、肩こりが解消するなどの効果が得られました。何より、体を動かすことで気持ちが良いという幸福感を味わうことができます。
体力のある方はソーラン節やボクササイズをやっていたようです。
食事については、毎日配給されていたものの、腸内環境を整えるのに重要な発酵食品や食物繊維は不足しがちなメニューでした。何れにしても隔離先の食事はあまり期待できませんので、味噌や乾燥わかめなど腸内環境に良いものは準備して、準備の難しい野菜やフルーツ、キノコ類などはフードデリバリーを活用することで改善できそうです。
セロトニンの分泌に最も重要とされる日光を十分に浴びることができませんので、ある程度他の対策で補う覚悟が必要です。
オキシトシン
人や動物との肉体的接触、家族や友人との団欒、感動することや人に親切にすることで分泌される幸せホルモンです。特に隔離中は誰とも面と向かって話すことはできませんので、現代のテクノロジーでは対策しようがありません。
私の場合は息子に会えないのが一番辛い点ではありました。然し、現代に於いてはWifi環境さえ整っていれば、どこからでも無料通話やメール・写真などの共有ができますので、誰とでも簡単にコミュニケーションをとることができます。YoutubeやNetflixなどの動画配信サービスを利用して、いつでも好きなコンテンツを観ることも可能です。
オキシトシンはやはり家族や大切な人と一緒にいてこそ、最大限分泌されるのだと思いますが、以上の理由から精神状態をある程度コントロールすることは可能かと思います。逆にインターネットがなかったらどうなっていたのかと思うと恐ろしいです。
そもそも本件については隔離期間に限ったことではなく、単身赴任者や親元を離れた学生さんにも当てはまりますね。
ドーパミン
仕事で成果を出す、ギャンブルや投資で勝つなどして主に分泌されるホルモンです。他にも、運動をする、質のいい睡眠をとる、好きな音楽を聴くことでも分泌可能とされています。不足するとモチベーションが下って行動を起こさなくなるので、生産性と深く関ります。
これについてもオキシトシンと同様に、Wifi環境が整っていればある程度の対策ができるのではないかと思います。隔離中でも在宅勤務ができれば仕事での成果を認められることは可能ですし、インターネットを通して株式投資などに投資することも可能です。
時間も比較的コントロールできるので、質の良い睡眠が取れるでしょう。
私の場合はモチベーションの上がる動画を見るだけで幸せな気分になれますし、これまでできなかった動画編集にとことんハマったり、Mac Bookの使い方を初めて覚えたりと大変有意義な時間を過ごすことができました。他人と一緒ではなかなかこれだけ集中できません。
隔離と言えば、刑務所に近いものがあるかもしれませんが、ポジティブに捉えれば誰にも邪魔されずに好きなことができる大変良い機会だと思います。
さいごに
外の世界に勝るものはないものの、インターネットが使える現代に於いては、ポジティブに考えることでそれなりに幸せを感じることが可能だと思いました。
勿論、外の空気は吸えなければ食事も不味い、洗濯は手洗いで快適な机や椅子もない、など不満をあげればキリがないですが、お金より何より大切な自分だけの時間が得られます。
香港の最安ホテルだったにも関わらずこう考えられるのは、インド生活やバックパック生活に慣れていることもありますが、足るを知ることやキャンプのようにないことを楽しむ、という気持ちの持ちようで乗り越えられると思います。
是非、これから隔離を控えられている方や、ご家族と離れてしまう方などの参考になれば幸いです。生活の様子は自身のYoutubeチャンネルでも発信しております。↓