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香港大学MBA留学 MBAのデジタル教育

MBAの授業内容も時代のニーズに合わせて進化しています。リーダーシップの授業をやっていて思うのは、これからのリーダーにはデジタルリテラシーが必須であるということです。

リーダーのあり様も時代の流れと共に変化してきました。一昔前であれば松下幸之助や本田宗一郎のようにカリスマ性があって、運と経験で道を切り開くようなリーダーが重宝されてきたかもしれません。

然し、インターネットの登場とグローバル化の融合で変化のスピードが速い現代においては過去の経験が通用しなくなってきました。これからは膨大なデータから仮説検証を行い最適解を導く力が求められます。

天性の才能なんていうのは必要ないようです。

 

ということで今回は、私が香港大学MBAで実際に経験したデジタル関連の授業内容ついて整理してみたいと思います。(専門用語の細かい説明は割愛させて頂いております。)

 

米国のGAFAMや中国のAlibaba、ByteDanceなどのケースを扱い、彼らのKSFは何だったのかというケーススタディを行います。WEBマーケティングのTIPSについても触れていますが、詳細はコロンビア大学のトラックで学ぶ予定です。

また、ロングテール理論(アマゾン)や破壊的イノベーション(Uber)、A/Bテストの種類や検証方法、プライバシー保護の法規や方法などについても学びます。

グループプロジェクトでは、現状のECサイトにどうやって付加価値をつけるか仮説検証をしました。具体的にはVR・ARといった3次元空間で試着感を味わったり、NFTギフトやビットコイン決済など新しい技術がAPI活用できるようにならないか、というレポートを提出しています。

 

その他、データマイニングツールであるOrangeを活用し、データ分析ワークフローを作成する課題もありました。人工知能や統計学などを基本レベルで理解しておくだけで、コーディング不要で分析結果を視覚的に正しく読み解けます。従来行われてきた顧客の購買情報にもとづいた営業戦略などを、さらに高度に実行できるようになります。

例えば、「おむつとビールは一緒に購入される」という様な相関性が発見できると、おむつ売り場の隣でビールを売ることで売上を増やすことができます。

 

Artificial Intelligence(選択)/Big Data Consumer Analytics(選択)

人工知能(AI)で何ができるのか、ユースケースを学ぶことでビジネスアイデアへの洞察を得ます。既に日常の至る所にAIが使用されています。

自然言語(アニュアルレポート・契約書サマリー、翻訳、チャットボット、ブログ作成、、)、画像解析(自動運転、顔認証、ディープフェイク、自撮り補正、癌細胞発見、アート・建築デザイン作成、危険予知、料理・配膳・掃除・手術ロボット、、)、音声認識(Siri、Alexa、、)、他にも、需要予測、ロボアド、ダイナミックプライシング、ドローンショーなど数え上げればキリがなく、複数の技術を駆使していたりもします。

実際授業でも扱った興味深い動画をいくつかシェアします。上からVRアート、ドローンQRコード、Sophia(音声認識ロボット)、イギリス女王のディープフェイクです。↓

 

 

 

 

 

そして、それぞれのユースケースがどの様な機械学習のアルゴリズムを使用しているのかを体系的に学びます。

例えば、画像認識技術はCNN(Convolutional Neural Network)、自然言語はRNN(Recurrent Neural Network)、ルンバのように自ら動き都度学ぶのは強化学習というアルゴリズムを使います。ダイナミックプライシング(Airb&bや航空会社のチケット予約などで使っているやつです。)や需要予測は教師あり学習の回帰モデルなどを使用しますが、細かいのでこれ以上は割愛します。

 

Source: https://github.com/trekhleb/homemade-machine-learning

 

「AIは人間に代わるのか」は永遠のテーマになりつつあります。シンギュラリティの世界がよくわからないので絶対とはいえませんが、個人的には創造力を駆使してヴィジョンを描いたり、信頼関係構築のための営業スキルなどは無くならないのではないかと思っています。

別の言い方をすれば、殆どの仕事はAIに任せておいて、人間はクリエイティブな仕事だけに専念できるようになれば、日本の人口が減少したとしても上手くAIと共存して生産性を向上する方法があるのではないかと信じています。

 

また人間の多くの仕事がAIに取って代わられる一方で、今後はAI Ethicist(倫理学者)の需要が増えるのではないかということです。未だにAIは多くの倫理課題を抱えています。

例えば、(1)歩行者か運転手のどちらかが助からない場合、自動運転はどちらを優先すべきなのか、(2)AIが医療ミスをした場合の責任はどこにあるのか、(3)アルゴリズムに人種差別的なバイアスがかからないためにはどうするか、など。

AIと共存するにあたって、ビジネスに於ける倫理の重要性が高まっていると言えます。

 

Analytics for Managers(必修)/ Python(選択)

ユースケースを学んだ後は機械学習を実装してみましょう、ということでPythonの実装を行います。

そもそも機械学習とは人工知能(AI)の一種であり、経験やデータから自動的に学習・改善する能力をシステムに与えるものです。因みによく言うディープラーニング(深層学習)は機械学習のサブセットであり、人間の神経系に類似した構造を持つニューラルネットワークを使用してさまざまな要因を分析します。

 

ビギナー向けのクラスではありますが、線形回帰・分類、クラスタリングに加え、ニューラルネットワークなどを一通り学習します。プログラムを実装していくにあたり、アルゴリズムに加え微分や線形代数・統計学の知識が必要になるため私のような初学者には大変です。

 

 

個別課題が3回あり、ピザやの待ち時間を予測するアルゴリズムや、航空会社の運賃を予測するアルゴリズムなどを実装していきます。例えば、ショッピングモール内の温度、湿度、照明光度などあらゆる変数から売上との相関関係を得ていくのが特徴です。

 

昨今のビジネスのトレンドから機械学習の比重が高いように思いますが、それ以外にもWebサイト作成、ゲーム制作、ブロックチェーン開発、Excelの業務効率化などユースケースが幅広いのがPythonの特徴です。この辺りの実装は選択科目で学べます。(残念ながらJavaやC言語などは多分ありません)

 

さいごに

会社員時代はこういったことを学べなかったので本当にいい機会をもらっています。

特に選択科目の場合は実業家に講義をして頂けるのでビジネスサイドの質問に的確に答えて頂けますし、そういった方とのコネクションが財産になると思うとMBAも捨てたもんじゃないですね。

 

プログラミングは初学者にとってはよく分かりませんが、目的を明確にすると良いと思います。

プログラマーになりたいのであればとことん実装できた方がいいですし、実業家としてAIを活用していきたいのであればできることを正しく理解してビジネスに繋げるセンスを磨くなど、やることが違ってきます。



 

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