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香港大学MBA留学 前半戦終了、MBAに対する誤解4つ

香港大学MBAの授業が始まって3ヶ月半が経ち、卒業に必要な18科目の内、10科目が終了しました。

2022年1−3月で必修4科目、5−8月に選択4科目を取得して12月に卒業ということで、前半にどれだけ詰め込まれているかがわかります。寝る間もなく時間に追われていましたが、今は逆に年末の過ごし方を模索しているところです。

残りの1年弱は就活やインターン、起業準備やイベント参加など、余裕を持ちながら各々のMBAJourneyをEnjoyすることになります。

 

今回は、MBA留学を経験していない多くの方が誤解しがちな点について、これまでの経験を踏まえて解説したいと思います。

 

MBAは起業を目指す人の役に立たない

確かに私も留学前はある程度そうなのだろうな、と思っていました。

然し実際は、起業を志す方にも十分役に立ちそうです。

どの授業でもそうですが、日本の大学のように教授が永遠と理論を説明するといったことはまずなく、学生が主体的に授業を作っていくスタイルになっています。

教授の役割は、議論で不足した点を補い全体をオーガナイズすることです。

ケーススタディを例にとると、創業者が志を抱いてからどのようにアマゾンやユニクロのような大企業になったかを授業の論点に沿って細かく説明されているため、ゼロから仕事を作る際のエッセンスが詰まっています

ファイナンス理論など、起業にあまり重要でない知識がないとは言いませんが、選択科目では自分の興味のある授業を選ぶことができ、そしてバリバリの実業家が講義されることも多く、より実践的な印象があります

因みに、私はアントレ・ラボ、VCPE(Venture Capital \Private Equity)、AI(Artificial Intelligence)という3つの選択科目を取りましたが全てが新鮮でした。

アントレ・ラボでは毎回若手起業家と直接対話することができ、VCPEではベンチャー投資家の考え方や実務について学び、AIの授業では最新のユースケースや機械学習について体系的に習得することができました。

どれも起業を志す方にとってまたとない機会です。

 

授業以外にも、スタートアップとのシェアリングイベントが数えきれないほどありますので起業のステップを学び、ネットワーキングをするには最高の環境が整っています。

 

海外MBAはお金がかかる、日本のMBAで十分

確かに奨学金なしで米国トップスクールにいけば2−3千万円の費用がかかりますが、アジアや1年のプログラムを検討することで数百万円までコストダウンが可能です。

特に香港大学はファンドが充実しているため、かなりの学生が多額の奨学金(返済不要)を得ていますまた、私の場合は他にも奨学金を得ることができ、学費はほとんどかかっていません。

 

香港大学の授業料を必要18科目×30時間で割ると1コマ3時間の授業に5万円払う計算になりますが、奨学金をうまく活用できれば、半額以下にすることは可能です。

半額でも高い、と言われればそれまでですが、大学へ通うのは授業を受けるだけではなく、大学の設備使い放題であり、卒業後も世界中で活躍する先輩方にアクセスできます。ネットワーキングなんかLinkedInなどのSNSで十分という人がいますが、自分より何倍もレベルが高い人はそう簡単に会ってくれないでしょう。

また、世界中でビジネスができる英語力、日本人の価値観を超えたダイバーシティなどなかなか買うことのできない経験です。志が高いほど海外MBAはお得だと思います。

 

MBAは長期休暇

挑戦しない大企業の管理職がよく口にしている言葉です。日本企業がMBA採用を積極的に行っていないことも頷けます。寧ろ、自社に魅力がないのを棚に上げて、辞められたくないからという理由で社費でのMBA留学制度を廃止する企業が増えています。

MBAに行くためにどれほど努力が必要か、MBAに行ったあとですらどれだけ悔しい思いをして頑張らないといけないか、金銭的なことから家族との時間までどれほどのものを犠牲にし覚悟を決めて望んでいるか、挑戦したことがないからこそ安易な発言ができるのでしょう。

 

その一方で、外資系のコンサルや金融などでは、日本企業が支払うことのできない報酬をMBA卒業生の価値として支払っています。その意味を良く考え学んだ方が良いと思います。

私は幸いにもMBAを取得している上司とインドで一緒に働く機会を得たのですが、リーダーシップやマネジメントなど、その違いは一目瞭然でした。

 

MBAはコモデティ化している、これからはアートだ

スティーブ・ジョブズやYouTubeのチャド・ハーリーをはじめ、アートを学んだ成功者がいるのも確かですが、安易な言葉だけが独り歩きしているようにも思います。

まず、卒業学部を問わないMBAと違い、MFA(Master of Fine Art)に行くにはアート系の学士号を取得する必要があります。また、アートは経営の必要十分条件ではないので、企業で成功したいのであればまずは経営を学ぶのが良いのではないでしょうか。

昨今では合理的な理論だけではビジネスは成功しないという風潮も高まりMBAでもデザイン思考を学べますし、私も必要性を感じコロンビア大学で取得する予定です。

 

MFAは希少性が有り、アップルやダイソンのような優れたデザインを目指す企業から引っ張りだこであることは確かだと思いますが、デザインや設計など小さな箱の中から飛び出すことはできるのでしょうか。

最近だと、上記のジレンマを解消するためにMBA/MFAのダブルディグリーを提供する大学もあるようですので興味のある方は調べてみてください。

 

さいごに

私自身MBAが万能だと思っていませんし、MBAがなければできない仕事があるわけでも有りません。そして、数十年後にMBAスクールというものがあるのかもわかりません。

然し、なぜハーバード大学は医学部、法学部のあとにビジネススクールをはじめたのか、ルーツを辿れば学問を超えた倫理的な重要性すら見えてくるかもしれません。

いわゆるお勉強は数年後には忘れているかもしれませんが、そこで感じたことは一生忘れないでしょう。

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