香港大学MBAに合格し、2021年8月に入学します。
今回は、MBAに合格して良かったことを3つ纏めてみたいと思います。未だ入学前ですので、MBAに行った後の評価はできませんが、現時点で感じていることをお伝えしたいと思います。
自己実現に近づける
マズローという心理学者が考案した5段階欲求というものがあります。生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求の初めの3つは多くの方が満たされているのではないでしょうか。
4つ目の承認欲求は、集団の中で高く評価されたい、自分の能力を認められたいというものですが、私自身新卒で入社した会社で10年以上この欲求は満たされませんでした。
毎月100時間以上のサービス残業をした挙句、最低評価を受け続け、会議室や飲み会で何時間もパワハラを受けることもしばしば、将来に希望を持てない時期が続きました。
然し、11年目に転機は訪れました。当時の本部長に海外駐在員として指名して頂き、あらゆる環境がリセットされました。仕事の幅も広がり、兎に角我武者羅に学び、働きました。夢だった海外勤務が叶ったこともあり、本当に楽しかったです。
結果、周囲の評価は180度変わりました。そこまで来てようやく5つ目の自己実現欲求が芽生えます。自分にしかできないことを成し遂げたい、自分らしく生きていきたいというものです。
既に自分の仕事を管理できるようになり、やりがいは感じていたのですが、たとえ今の会社で社長になれたとしても、そこに理想の自分はいませんでした。
どうやったら自分はもっと楽しく幸せなに暮らせるのか、ということばかり考えるようになりました。
結果として、知識と経験をもっともっと増やしたい、まずはコンフォート・ゾーンを抜けてやりたいことを全部やってみよう、と思いMBA留学を志すに至りました。
そんな自己実現へのステップを踏めることは素晴らしい機会です。
自分の人生を生きている実感が湧く
はっきり言って、今までは自分の人生を生きてきませんでした。親に説得されていい大学に入っていい会社に入りましたが、これは自分で考えた道ではなく他人に敷かれたレールです。
誰もが知る大企業に入ったところで、自分の人生を人前で楽しく語ることなんてできませんでした。
一昔前の日本ではこれだけで幸せな人生が送れる、とされていました。
然し日本は高度経済成長を経験し成熟期へ突入、終身雇用は崩壊しバブル以降の平均給与は下落トレンドが続いています。加えて、高齢化社会の到来で会社員が搾取される税金は高くなる一方、将来の年金は保障される見込みもありません。
いい会社に入っただけでは経済的に益々厳しい生活を強いられるようになります。
新卒でいい会社に入る、という選択肢はあってもいいですが、定年までその会社に居続けることが本当に幸せか、真剣に考える必要があります。一度きりの人生であることに加え、死に際に後悔したところで誰も責任をとってくれません。
ローランドという人が「俺か、俺以外か」という名言を残しています。自分の人生は自分が主役、エキストラではない、他人の意見に従って生きたら一度きりの人生が勿体無い、という意味です。
MBAは自分が人生で初めて採ることのできた大きな決断です。期待と不安が入り混じりながらも、清々しくないわけがありません。
私生活や仕事で活かせるスキルが身に付く
MBAを目指す過程で成長を実感したことがあります。
一つが自己管理。
MBAを目指すには仕事や家庭がある中で時間を確保しなくてはいけません。勉強を始めた当初は、すぐにサボってしまい毎日同じことを続けることができませんでした。なぜ続けることができたからと言えばずっと変えられない自分に強い憤りを感じてきたからだと思います。
嫌でも3ヶ月も続けると苦ではなくなります。
結果的にタスク管理が得意になり、今では強みの一つになりました。管理職の仕事をしていても部下のタスクの進捗状況がよく見えるようになり、結果も出しやすくなりました。プライベートでは、家計の収支管理が細かくできるようになりました。
二つ目がネットワーキング。
学校別のリアルな情報を得るには、能動的に行動する積極性が必要です。もともとシャイな性格で知らない人にアプローチなどすることはできなかったのですが、いつまでもそんなこと言っていたら何も進みません。
相手がどう反応するかはコントロールできないけれど、自分から動くことはできる。
結果的に新規顧客に飛び込み営業をしたり、SNSで積極的に発信することもできるようになりました。更に起業してもやっていけるのではないかと思えるようになり、MBAを目指す前には考えられなかった変化を感じることができました。
さいごに
これから本格的に授業が始まりますが、MBAで勉強したことは10年後には忘れているかもしれません。然し、異文化・多国籍の中で周囲と切磋琢磨して影響を受けたことは一生忘れないでしょう。
「知る」のと「やる」のは全く違います。これからも実際にやってみたことをどんどん発信していければと思います。