今回は、欧米やアジアのトップスクールを全て検討した上で、最終的になぜ香港大学を選択したのかについて紹介させて頂きます。
これまでのキャリアであったり、将来目指す方向によって一人一人異なる結論になると思いますが、今後ご検討される際の参考にして頂けると幸いです。
Why MBA?
理由は大きく三つあります。
第一に、入社以来営業経験しかなかったのがコンプレックスでした。アカデミックなスキルがあれば、事業投資や事業会社の社長を経験できたかもしれません。モチベーションが上がらなかったのが原因かもしれませんが、自分への投資を怠ってきたので、良いチャンスに恵まれるのに時間がかかりました。
第二に、インド駐在時、MBAホルダーでもある職場の上司に影響を受けました。特にマーケットを分析し、綿密な計画を愚直に実行する姿に感銘を受けました。当時会社の経営は撤退直前まで追い込まれていましたが、2017年に設立以来初の黒字となり、2018年以降も予算過達が続きました。
その後、MBAホルダーが主催するセミナーに参加もしマーケティングを学びましたが、学びを職場で試行錯誤しているうちに成果に繋がっていることを実感し、学びへの欲求が更に高まりました。
最後に、将来起業家としてビジネスをするのであれば、大きな失敗はできないので限られた時間と情報の中で議論をし決断する練習が必要だと思いました。
Why 香港?
まず重視したのがダイバーシティです。
インド駐在で文化や商習慣の違いを実感したのをきっかけに、グローバルスタンダードやアジアスタンダードの理解が浅いことに危機感を抱き、更に追求したいと思うようになりました。
二つ目に、将来中国を中心にトレーディングをしたいと考えており、多くのコネクションを持ちたいと思いました。特に香港は次世代のトレンドを担うであろう深圳が地理的に近いこと、アジアの中でもビジネス環境が整備されていることも魅力です。
最後に、香港とシンガポールを最終候補としましたが、地政学的に安定しているシンガポールと比べ、香港は欧州の文化と融合していること、今後も世界情勢の影響を強く受けることが予想されることから学びの機会が多いと感じました。
Why HKU?
香港には大きく3つのトップスクールがありますが、最終的には在校生やアドミッションと話した時の印象で選びました。特に在校生からのエピソードで、一人ひとりの個性を最も尊重してくれるスクールだと感じました。
具体的には、年齢やスコアに縛られず面接を最重要視している為、きっと世界中から個性の強いメンバーを集めてくれて、既存の枠に捕らわれない闊達な議論ができるだろうと思いました。
私自身、教育に年齢は関係ないと思っていますし、スコアに関しては授業についていくだけの英語力があれば十分だと思います。それよりも一人ひとりの貴重な経験を尊重してくれるスクールなのか、ということが大切です。
更に、全ての科目で合格点をとっていくジェネラルなスタイルではなく、学びたいことをフレキシブルに選択しより得意なことを伸ばせるスタイルに共感しました。
最後に、多くのスクールが採用している交換留学制度ではなく、ニューヨーク(CBS)やロンドン(LBS)の学生として4か月間学べる点も魅力でした。
スクール選びの際は、ランキングやコスト以外の点で、そのスクールに何を期待しどんな価値を得たいのかを良く考える必要があります。まずやるべきは長期的なキャリアプランを明確にすることです。キャリアプランというのが堅苦しければ、将来どんな生活をしていたいかという目標で良いです。
人によっては、より優先すべきことが見えてMBAは必要ない、となるかもしれませんがそれも立派な結論です。
さいごに
MBA留学に対して賛否ある中、その価値を判断するのは自分です。例えば、コスパ議論が良くありますが、MBA後に生涯年収が100億円増えるとしたら議論するまでもありません。
気持ちの持ちようで選択は変わり、未来は変わります。
次に、現状に満足していない方はチャンスです。悔しさは目標を達成する支えになってくれます。いつの間にか、私の生活は会社にコントロールされていました。死ぬ直前の自分はそれで納得するのだろうか、と考えました。
そして、より険しいが充実していて自由になれそうな道を選びました。限られた時間を何に投資するのか、自分の頭で考え抜くことがこれからの時代に求められています。